土の上からスプーンの上まで
STORY|開発に寄せて
創業70年を迎えた 岡山の老舗工業機械メーカーの 新しい試み
土の上から
スプーンの上まで
STORY|開発に寄せて
創業70年を迎えた
岡山の老舗工業機械メーカーの
新しい試み
農業機械で培った技術を応用し、
次世代の農家が抱える課題の解決へ
創業から70年、オカネツ工業は耕運機などの製造・販売をしてきた、ものづくり企業です。これまで、製品を通して農業と関わり、農家さんに寄り添ってまいりました。
ある日、旧知の生産農家さんから伺った悩みをきっかけに、農家が直面している現状を知り、これからの農業支援を模索するようになりました。こだわりを持っておいしい農産物をつくっていらっしゃる農家さんの課題を解決することが、農業と共に歩んできた私たちの使命だと感じました。
廃棄ロス、規格外作物、長時間労働、人材不足……。農家を取り巻く環境は様々な問題を抱えています。それらを解決する手段の一つとして注目されているのが、農家さん自身が生産・加工・販売も行う6次産業化という選択です。
しかし、そんな昨今の6次産業化推進の流れの中で、農家の抱える新しい課題も見えてきました。
加工・販売をはじめようにも、ジャムや冷凍フルーツの市場は飽和状態。かといって新しい商品を開発する体力もノウハウもない。流通や販路を確保するツテもない。差別化する方法もわからない。そもそも需要はあるのだろうか。とても素晴らしく魅力的な農産物をつくっている農家の人たちが、旧来型の農業に縛られて一歩踏み出せない現状にありました。
そんな農家さんの後押しができるような製品をつくることはできないか。行政や組合では手の届かない、ものづくり企業だから、私たちだからこそできる支援の方法があるのではないか。そのような想いで開発に着手しました。
そして、地元農家さん協力の元で試行錯誤を繰り返し、ベーシックモデルSF01が誕生。
SF01の完成後も終わることなく農家さんや事業者さんの声を聞き、安全性や衛生面への配慮など幾度もの改良を重ね、そして、ついにBJの完成へと至りました。
BJは、それぞれの農家さんの持つ良さを、シンプルにそのまま表現してくれました。農家さんがBJでつくったオリジナルのアイスクリームは、香りが高く、新鮮な農産物の味がしました。農家さんがその手で直接お客さんにアイスを届ける姿を見て、これからも農家とともに歩んでいける企業でありたいと改めて感じました。
さらにBJの輪は広がり、カフェや直売所など全国の様々なお店に導入され始め、その土地の味を届ける強い味方として活躍しています。
そして、2018年にはその取り組みが評価され、グッドデザイン賞を受賞いたしました。
これからも、農家さんのはじめの一歩を後押しできる取り組みを進めてまいります。みなさまにも日本の農業の素晴らしさを届ける取り組みにご参加いただければ幸いです。
オカネツ工業は、創業70年の節目を迎え、これからの農業のかたちを全国の農家さんや事業者さんと共につくっていける企業でありたいと考えています。